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「税理士業界は人の入れ替わりが激しい」——会計事務所で働いた経験のある方なら、一度は耳にしたことのある言い回しかもしれません。「繁忙期が終わると人が動く」といった話も、業界内でしばしば語られます。ただし、これらはあくまで現場で語られる体感であり、統計的に裏づけられた事実として確認されているわけではありません。
一方で、同じ業界に20年、30年と腰を据えて働き続けている方も大勢います。「税理士=辞める仕事」という単純な話ではありません。
この記事では、税理士・会計事務所職員の離職について、公的統計と業界調査を手がかりに「何が数字として言えるのか」「どこからが体感の話なのか」を切り分けて整理します。いま辞めるかどうかで迷っている方が、自分の状況を落ち着いて位置づけるための材料になれば幸いです。
まず前提:「税理士の離職率」を示す公的統計は存在しない
最初に、正直にお伝えしておきたいことがあります。
厚生労働省の「雇用動向調査」は、日本の入職・離職を把握する代表的な公的統計ですが、産業分類は「学術研究,専門・技術サービス業」といった大きな括りで集計されます。税理士事務所・税理士法人はこの分類に含まれますが、法律事務所、設計事務所、研究機関、広告関連などと同じ箱の中にあり、「税理士業界だけの離職率」を切り出した公的データは公表されていません。
つまり、ネット上でよく見かける「会計事務所の離職率は○%」という数字の多くは、
- 転職エージェントが自社の登録者・利用者に行ったアンケート
- 業界メディアが独自に集めた回答
に基づくもので、母集団が「転職を考えている人」に偏っている可能性があります。参考にはなりますが、業界全体の実態そのものとは限りません。
この記事でも業界調査は引用しますが、「誰が・いつ・誰に聞いた数字か」を必ず併記します。数字の重みを読者自身が判断できるようにするためです。
参考になる周辺データ
そのうえで、周辺から輪郭をつかむことはできます。
- 厚生労働省「令和6年雇用動向調査」では、全産業ベースで入職率14.8%(前年差▲1.6ポイント)、離職率14.2%(同▲1.2ポイント)。転職入職者の賃金が「増加した」割合は40.5%(同+3.3ポイント)、「減少した」割合は29.4%でした。この動きは「転職で賃金が上がった人の割合が増えた」と読むこともできますし、「入職率・離職率がともに低下し、労働移動そのものは鈍化した」と読むこともできます。どちらか一方に断定できる数字ではありません。
- 日本税理士会連合会の公表によれば、税理士登録者数は2026年8月末時点で82,343人と、8万人を超える規模で推移しています。
- 国税庁が公表した令和7年度(第75回)税理士試験の結果では、受験者数36,320人、合格者7,847人(うち一部科目合格者7,320人)、合格率21.6%。5科目到達による官報合格者は527人でした。なお、この21.6%は一部科目合格者を含めた数字であり、「5科目すべてに合格した人の割合」ではない点に注意が必要です。受験者数は前年から1,598人増え、5年連続の増加となっています。
有資格者の登録数が大きく減っているわけではない一方で、「事務所単位では人の出入りが多い」という声が現場から繰り返し聞かれる。ただし、登録者数は有資格者の人数であり、無資格の職員を含む事務所単位の人の流動を直接示す指標ではありません。両者は母集団が異なるため、この2つを結びつけた「業界は維持されているのに現場は流動的」という説明は、あくまで一つの仮説として読んでください。事務所単位の離職を直接示す公的データは、現時点では見当たりません。
押さえておきたい業界用語
離職理由を読み解く前に、業界外の方にも分かるよう用語を整理します。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 記帳代行 | 顧問先の領収書・通帳データなどをもとに、会計ソフトへ仕訳を入力する業務。多くの事務所で新人が最初に担当する |
| 担当者制 | 職員一人ひとりが顧問先を複数社受け持つ体制。裁量は大きいが、属人化しやすいとも言われる |
| 巡回監査 | 定期的に顧問先を訪問し、帳簿や経営状況を確認する業務 |
| 科目合格制 | 税理士試験は科目ごとに合否が判定され、生涯有効な「科目合格」を積み上げて5科目に到達すれば資格要件を満たす制度。会計学2科目(簿記論・財務諸表論)は必須、税法は所得税法または法人税法のいずれかを含む3科目が必要で、住民税と事業税はどちらか一方しか選べないなど、組み合わせに制限がある |
| 所内独立 | 事務所に勤めながら経験を積み、有資格者となった後に独立開業すること |
| BIG4・大手税理士法人 | 国際的な会計ファームの系列や、全国展開する大規模法人の総称 |
特に重要なのが科目合格制です。「働きながら数年かけて資格を取る」という構造が、この業界の人の動きに影響していると指摘されています。
税理士・会計事務所で語られる離職理由7つ
ここからは、業界調査・転職支援会社のレポート・当事者の発信記事に繰り返し登場するテーマを7つに整理します。
すべての人に当てはまるものではありません。むしろ、7つのうち自分に刺さるのが1つか2つか、あるいはゼロかで、いま取るべき行動は大きく変わります。
1. 繁忙期と閑散期の落差が大きい
税理士業界の働き方を語るうえで、最も頻繁に挙がるのが業務量の季節変動です。
12月の年末調整、1月の法定調書・償却資産申告、2〜3月の確定申告、そして3月決算法人が集中する5月。この期間に業務が集中しやすい構造があります。
会計・税務分野の転職支援会社が公表している「会計事務所の繁忙期に関する実態調査」(回答者740名:管理職524名、スタッフ職216名)では、繁忙期の残業について「60時間以上」と回答した層が約3人に1人、22時以降の勤務を経験したことがある人が7割を超えたと報告されています。ただしこの調査は、同社サービスの利用者層、つまり転職を検討している人が回答者に多く含まれる可能性があり、業界平均そのものとは言えません。数字は「そうした環境が一定数存在する」ことを示す参考値として受け止めてください。
同調査で興味深いのは、不満の対象が「残業時間そのもの」だけでなく、フレックスやリモートといった制度面、業務効率や受注方針といった事務所運営への評価にも向かっていた点です。「忙しいこと」自体より、「忙しさが毎年同じ形で繰り返され、改善の兆しが見えないこと」に疲れる——という声は、当事者の発信でもしばしば見られます。
なお、繁閑差は事務所の顧問先構成によってかなり異なります。個人事業主の確定申告が多い事務所と、3月決算の法人が多い事務所、資産税(相続)に特化した事務所では、ピークの時期も強度も別物です。
2. 税理士試験の勉強と仕事が両立しにくい
これは他業界にはあまり見られない、税理士業界に固有の事情です。
科目合格制のもとで、多くの職員は働きながら受験を続けます。ところが試験は例年8月上旬で、直前期は6〜7月。5月決算対応の余波が残る時期と重なります。
「合格したいから残業を減らしたい」「でも業務が立て込む時期に休みは取りづらい」——このジレンマが数年続くと、
- 試験に専念するためにいったん退職する
- 勉強時間を確保しやすい事務所・企業へ移る
- 受験そのものから離れ、別のキャリアへ移る
といった選択が生まれやすくなります。つまりこの業界の退職には、「職場が合わずに辞める」だけでなく「目標のために辞める」という前向きな移動も含まれていると考えられます。離職の数字を読むときに見落とされがちな点です。
3. 経験年数に対して収入が伸びにくいと感じる時期がある
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」では、職種分類「公認会計士,税理士」の平均年収は約796.8万円でした。職種全体で見れば高い部類に入ります。
ただし、この数字の読み方には注意が必要です。
- 公認会計士と税理士が同一区分で集計されている
- 有資格者・パートナー層と、無資格の一般職員が区別されていない
- 個人開業税理士の所得はこの統計の対象外
- 集計対象は従業員10人以上の事業所の一般労働者である
特に4点目は重要です。会計事務所には数名〜十数名規模の事務所も多く、この統計はそうした小規模事務所で働く層をほとんど拾えていない可能性があります。「税理士の平均年収は約800万円」という数字だけを見て自分の給与を評価すると、比較対象がずれてしまうおそれがあります。
実務の現場では、無資格・経験数年の職員層と、有資格者・管理職層とで処遇に差が生じやすいという声が聞かれます。記帳代行や巡回監査を数年こなし、一定の戦力になった段階で「責任と業務量は増えたが、給与の伸びは緩やか」と感じ、事業会社の経理や大手税理士法人へ目を向ける。これは業界内でよく語られる動きの一つです。
一方で、資格取得や担当先の拡大を経て処遇が明確に変わったという声も多く、「上がらない」と断じるのは正確ではありません。事務所の給与制度によって差が大きい領域だと理解しておくのが実態に近いでしょう。
4. 組織規模が小さいことが、働き方に強く影響する
会計事務所には、数名〜十数名規模の組織から、数百名規模の大手税理士法人まで幅があります。小規模な事務所で働く場合、その規模感が働き方に直結しやすくなります。
小さい組織ならではの良さは、はっきりあります。意思決定が早く、若いうちから決算・申告・税務相談まで幅広い業務に触れられ、経営者である所長と直接やり取りしながら仕事を覚えられる。「大きな組織では得られない経験が積めた」「自分の裁量で顧問先と向き合えるのが面白い」という評価は、実際によく聞かれます。顧問先との距離が近く、感謝の言葉が直接届くことをやりがいに挙げる方も少なくありません。
反面、少人数の組織では、
- 部署異動という形での環境変更の選択肢が少なくなりやすい
- 所長の考え方が、事務所の方針や雰囲気に反映されやすい
- 相性が、働きやすさの実感に影響しやすい
といった傾向があるとの指摘もあります。組織が小さいほど、合う人にとっては非常に働きやすく、合わない人にとっては調整の余地が限られる。同じ職場の評価が人によって大きく分かれるのは、この業界では珍しいことではありません。
なお、これは特定の事務所の問題ではなく、少人数の専門サービス業に広く共通して語られる特性です。
5. 制度改正とデジタル化で、作業工数が読みにくくなっている
インボイス制度、電子帳簿保存法への対応により、確認すべき証憑の種類やルールは複雑化しました。この数年で現場の作業工数が実質的に増えたという指摘が、業界メディアや実務者の発信で見られます。
さらに近年は、クラウド会計やAI-OCR、生成AIの業務活用が進み、記帳・仕訳といった定型業務の自動化が現実味を帯びています。
ここで起きやすいのが、負荷の「二重化」です。
- 従来業務は残りつつ、制度対応で手間が増える
- 同時に、新しいツールの導入・運用も覚える必要がある
- 人手不足の事務所では、増員での解決が難しい
ツール導入が進んでいる事務所とそうでない事務所で、職員が感じる負荷は大きく異なります。他事務所の取り組み状況が情報として入りやすくなったことも、現状への不満が言語化されやすくなった一因かもしれません。
6. 将来のキャリアパスが見えにくくなる時期がある
会計事務所職員のキャリアは、大まかに
- 資格を取って独立開業する
- 資格を取って事務所内で幹部・パートナーになる
- 資格の有無にかかわらず、実務のプロとして事務所に残る
- 事業会社の経理・財務、あるいはコンサル領域へ移る
といった方向に分かれます。
かつては「1. 独立」が標準的なゴールとされていましたが、顧問料の競争環境などを背景に、独立の難易度は以前より上がったとの見方もあります。一方、3.のルートについては、無資格でも高い処遇・重要な役割を担っている職員は現実に多数おり、どこまで処遇が伸びるかは事務所の評価制度によって差が大きいというのが実態です。
「このまま10年続けた先の自分」が描きにくくなったときに、転職を考え始めたという声は多く聞かれます。税理士業界に限らず、離職動機の中では根深いタイプのものです。
7. 年齢構成の偏りと、事業承継の課題
日本税理士会連合会が実施した「第7回税理士実態調査」(令和5〜6年実施、令和7年2月公表。調査対象86,166件、有効回答38,607件)によれば、税理士の年齢構成は60歳代以上が53.6%と過半を占めます。内訳は60歳代25.7%、70歳代22.0%、50歳代21.5%、40歳代18.1%。これらを差し引くと、30歳代以下は1割に満たない計算になります。
この年齢構成そのものは、長く続けられる仕事であることの裏返しでもあります。実際、豊富な経験を持つベテラン層が顧問先の事業を長期間支えているのが、この業界の強みでもあります。
一方で、業界全体として事業承継が論点になっているのは事実です。事務所の将来の体制が固まっていない場合、そこで働く職員にとっては、自分の役割や数年後のポジションが見通しにくくなります。これは年齢や世代による優劣の話ではなく、承継のプロセスが制度として整理されているかどうかの問題として捉えるのが適切でしょう。
なお、若手層が少ないという構造は、裏を返せば若手・経験者にとって需要が高い市場であることも意味します。辞めたい理由の背景であると同時に、選択肢の広さを支える条件でもある、という両面性があります。
「辞める人が多い」の中身を整理すると
ここまでを踏まえると、税理士業界の人の動きは、少なくとも3つのタイプに分けて考えられます。
A. ステップアップとしての移動
試験専念、大手法人への転職、資格取得後の独立など。業界から抜けるのではなく、業界内で位置を変える動き。統計上は「離職」ですが、当人にとっては前進です。
B. ミスマッチの解消
組織規模との相性、繁閑差の許容度、担当先の業種など、合わなかった環境から合う環境へ移る動き。同業内での転職が比較的しやすいことが、この動きを後押ししていると考えられます。
C. 業界そのものからの離脱
事業会社の経理、コンサル、まったく別の職種へ。
「辞める人が多い」という体感の中には、A・Bも含まれていると考えられます。ネガティブな離脱ばかりではないという点は、いま職場で悩んでいる方にとっても意味のある情報だと思います。
そして最も大切なのは、7つの理由に当てはまらない人も多数いるということです。繁忙期を乗り越えた達成感、顧問先から直接感謝される距離感、一生使える専門性、数字で経営を語れる面白さ。これらを理由にこの仕事を続けている方が、この業界を支えています。感じ方は本当に人それぞれです。
辞める前に整理したい3つの問い
いま迷っている方に、順番に考えていただきたいことがあります。
問い1:不満は「職場」由来か、「職種」由来か
これが最も重要な切り分けだと言われます。
- 職場由来(所長との相性、その事務所の残業の実態、ツールが古い、給与テーブル)→ 同業内の転職で解決する可能性があります
- 職種由来(数字を扱う仕事自体が合わない、期限に追われる構造が苦しい)→ 事業会社や他職種への移動を検討する意味があります
繁忙期の疲労がピークの時期は、この2つが混ざって見えやすくなります。可能であれば、繁忙期を抜けてから判断したほうが、切り分けはしやすくなるでしょう。
問い2:試験は続けるのか
科目合格の状況によって、取るべき選択は変わってきます。
- あと1〜2科目 → 勉強時間を確保できる環境への移動が、合理性の高い選択になりやすい
- 受験から離れる判断 → 実務経験そのものを評価してくれる事業会社の経理・財務が有力な選択肢になりやすい
試験の扱いを決めないまま転職活動を始めると、志望動機の軸が定まりにくくなるという声もあります。
問い3:自分の経験は、市場でどう評価されるのか
これは一人では答えが出にくい問いです。
法人決算を年間何件、どの規模まで、どの業種で。相続や組織再編の経験はあるか。クラウド会計の導入支援はできるか。こうした経験は、社内評価と市場評価がずれやすい領域だと言われます。
「今の給与が相場より低いのか、妥当なのか」が分からないままだと、辞める判断も辞めない判断も、根拠が薄いままになってしまいがちです。
選択肢を知っておく、という中間地点
転職する・しないを決める前段階として、情報だけ集めておくという選択肢があります。求人を見ることと、辞めることはイコールではありません。
会計・税務分野の転職支援サービスは、大きく次のジャンルに分かれます。特定の1社が万能ということはなく、目的によって使い分けるのが現実的です。
1. 士業・管理部門特化型のエージェント
会計事務所、税理士法人、事業会社の経理・財務に強い専門エージェント。科目合格の扱いや事務所ごとの繁忙期の実情など、業界固有の事情を前提に話ができるのが利点です。求人票に出ない情報を持っている場合もあります。
2. 総合型の大手転職エージェント
求人数が多く、税務経験を活かせる事業会社の経理・財務・経営企画など、業界外の選択肢を広く見たいときに向きます。業界特化型では出てこない方向の提案を受けられることがあります。
3. 転職サイト・スカウト型サービス
自分のペースで求人を眺められ、担当者とのやり取りが不要。まだ動くと決めていない段階で相場感だけ知りたい人に向いています。登録情報をもとに届くスカウトは、自分の経験がどう見られているかを測る目安の一つになります。
4. 会計業界特化の求人メディア
事務所の規模、顧問先の業種構成、繁忙期の体制などが比較的細かく載っていることがあり、同業内で移る場合の比較材料になります。
いずれを使う場合も、「その事務所の繁忙期の残業実績」「担当件数の目安」「試験期間中の勤務配慮の有無」を具体的に確認できるかを一つの基準にすると、比較がしやすくなります。この3点に踏み込んだ回答が得られるかどうかは、情報の具体性を測る手がかりになります。
複数のジャンルから1〜2社ずつ触れてみて、話が噛み合う相手を残す。それくらいの温度感で十分です。
読み終えた後の、現実的な次の一歩
最後に、負担の軽い順に並べておきます。
- 7つの理由のうち、自分に当てはまるものに印をつける(数分でできます)
- それが「職場由来」か「職種由来」かを分類する
- 試験を続けるかどうかの方針を、暫定でいいので決める
- 同業・他業界の求人を、応募せずに10件ほど眺める
- 相場感が掴めなければ、1〜2社に登録して話を聞いてみる
1と2だけでも、考えは整理しやすくなります。そして、ここまでやったうえで「やっぱり今の職場で続ける」という結論になるのも、まったく問題のない着地です。
他の選択肢を見たうえで残るという経過をたどると、判断の材料が一つ増えることはあるかもしれません。もちろん、比較しないまま続ける選択が悪いということではありません。
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出典・参考
- 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概要」
- 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」(職種分類「公認会計士,税理士」)
- 国税庁「令和7年度(第75回)税理士試験結果」
- 日本税理士会連合会「第7回税理士実態調査報告書」(令和7年2月公表)および税理士登録者数公表資料
- 会計・税務分野の転職支援会社による「会計事務所の繁忙期に関する実態調査」(回答者740名)
- 各種業界メディア・実務者による会計事務所の労働環境に関するレポート
この記事の位置づけについて
本記事で挙げた7つの離職理由は、公的統計・業界調査・当事者の発信に共通して現れるテーマを整理したものであり、税理士・会計事務所職員のすべてに当てはまるものではありません。同じ環境でやりがいを感じて長く働いている方が多数いる一方、同じ職場を「合わない」と感じる方もいます。感じ方の違いは、能力や適性の優劣ではなく、価値観や生活状況との相性によるものです。
また、本記事で引用した業界調査の一部は、転職支援会社が自社の利用者層に対して実施したものであり、回答者が「転職を検討している層」に偏っている可能性があります。公的統計についても、集計範囲や職種分類の制約があることは本文で触れたとおりです。数字は参考値として受け止め、ご自身の環境と照らし合わせてお読みいただければと思います。